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果てしない物語

白昼夢というのだろうか、夢想家というのだろうか。

今日は、新しい曲を考えていて、でも、なかなか歌としてはまとまりそうになくなって、あきらめてやめると、一つの物語が浮かんできました。
それをノートに書いておいたのですが、せっかくなので、今ここに載せてみようと思う。

おもしろいか、おもしろくないかはわかりません。
ただ、そのまま載せようと思います。
ちょっと長いかも。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

ギギギギギギー、、、、
鉄でできた大きな重い扉を、男の子はそっと押し開けた。
開いたドアの向こうは、茨の道、視界を遮るようにならぶ木々、ジャングル、狭い空にはたった一つ、月が輝いていた。
男の子は、足元を確かめながら、足の裏の感触を確かめながら、ゆっくりと歩き始めた。

男の子は、足元に舞い落ちた落ち葉を、その感触を確かめるように手で拾い上げた。
次に、つま先にコツンと当たり、蹴飛ばした小石を拾い、その手触りを確かめてみた。

一人ぼっちの男の子は、不安に飲み込まれないように、歌を歌うことにした。
できるだけ大きな声で、明るい歌を歌った。

あ~あ~あ~あ~

一羽のカラスが男の子に飛び寄ってきて、一つの質問をした。
「月の向こうには何があるのですか?」
男の子は答えた。
「きっと、それを知るために僕は歩いているんだよ。」

次に、一羽の七面鳥がやってきて、男の子に聞いた。
「この世になぜ色があるのですか?夜になると何も見えない。あなたは、昼と夜のどちらがすきですか?」
男の子は答えた。
「それは楽しむためにあるんだよ。だから昼も夜も好きだよ。」

次に、一匹の蛇がやってきて男の子に聞く。
「君はそんなに堂々と歩いているけど、恐くないのかい?たまには休んで、隠れた方がいいんじゃない?」
男の子は答える。
「歩いていても隠れていても、やることは同じだよ。恐いと思えば恐くなるし、楽しいと思えば楽しくなるよ。」

次に、一匹のモグラがやってきて男の子に聞いた。
「なかなか土の中の世界もおもしろいよ。ミミズがいたり、カブトムシの幼虫がいたり、彼らを食べるとなかなかおいしいよ。ときには一緒に遊ぶこともあるよ。」
男の子は答える。
「僕も土の中を探検してみたいね。でも君みたいにそんなに速く土を掘ることはできないから、歩いている方が好きなんだ。」

次に、狐が美女に化けて、木の陰から男の子に聞く。
「もし、そこの道のお方。ちょっと休んで、一緒にお茶でも飲みませんか?とってもおいしいお茶があるんです。」
男の子は答える。
「僕は今は歩いている方が楽しいから、休む気はないよ。なんなら歩きながらお茶をもらうよ。一緒においでよ。」

次に、森の中に迷い込んだジプシーがフィデロを弾きながらシクシク泣いていた。彼女は言う。
「仲間とはぐれて一人ぼっちになってしまった。これからどうしていいかわからない。」
男の子は言う。
「一緒においでよ。」

次に、槍と斧と弓矢を持った人々が道を通せんぼして、男の子に言う。
「ここから先は、神聖な山への入り口である。何人たりとも通すわけにはいかない。それでも通ると言うのであれば、我々は君達の命を奪う。」
男の子は彼らに尋ねた。
「僕らの行く先を教えてくれませんか?」
彼らは言う。
「我々は君らの行く先など知らない。どこから来たんだね?」
男の子は言う。
「僕はどこからも来ていない。ただ、今、ここにいる。そしてあなた達と会っている。」
彼らは言う。
「よし、わかった。我々も君達と共に行こう。」

神聖なる山の頂上に着くと、太陽が地平線から、眠そうな目をこすりながら顔を出した。そして男の子たちに気付いて、問いかけた。
「ほう、君達はとてもとても仲が良さそうだね。優しい笑顔で溢れている。見ているこっちもうれしくなるし、元気をもらえるよ。ありがとう。お礼といっちゃあ何だが、君達の願いを一つ叶えてあげるよ。」
男の子は言う。
「じゃあ、一つ教えてください。僕らは何を求めているのでしょう?」
太陽は答える。
「なになに、そんなことが君達の願いなのかね。うーん、、、口で言うのは簡単だが、私には答えられない。当たり前のことを当たり前のように感じて、手にとり、分かち合えばいいんだよ。君達は風を必要としている。太陽を必要としている。動物を必要としている。植物を必要としている。木々を必要としている。大地を必要としている。人を必要としている。
 みんながみんな、お互いにそうなんだよ。お互いがお互いに必要なんだ。僕は君を愛している。君は僕を愛している。それだけで、みんながみんな幸せになれるんだよ。私は君達を愛している。それだけじゃあ不満かね?」
男の子は言う。
「僕もあなたを愛しています。そして、仲間を、人々を、動物を、植物を、木々を、大地を、山を、空を、雲を、海を、地球を愛しています。」
太陽は言う。
「わかるかい。当たり前のことを、当たり前に感じ、手にとり、分かち合えばいいんだよ。みんな幸せになろうね。」

そして太陽は空へ高く高く舞い上がり、男の子は、カラス、七面鳥、蛇、モグラ、美女に化けた狐、ジプシー、槍と斧と弓矢を持った人々と別れを告げ、歌いながら歩いていった。
その歌声は風に乗り、木々を揺らし、大地の上を走抜ける。
そして耳を澄ますと、どこからともなく、様々な歌が男の子の耳をかすめて流れていった。
「一人じゃないんだね」
男の子は自分に言い聞かすと、再び歌いながら歩いていった。

おしまい☆
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